「フリーレント物件」という言葉を聞いたことがありますか。
賃貸物件を探すときは、フリーレント物件をうまく活用すると、お得に新生活をはじめることが可能です。ただし、メリットだけに気を取られていると思わぬ失敗を招く恐れもあります。賃貸契約にはたくさんの費用がかかりますから、十分注意が必要です。
今回は、フリーレント物件について、その仕組みとともにメリットとデメリットについて解説していきます。
フリーレント物件とは
フリーレント物件とは、入居したあと一定期間賃料が発生しない物件のことを言います。
物件探しをしていると、「1ヶ月フリーレント」などという物件を目にすることもあるでしょう。そういった物件を契約することになれば、入居初月の家賃がかからないためとてもお得となるのです。
フリーレント物件の仕組みとは
なぜ貸主が家賃を無料にするのかと言うと、それは少しでも借り手がはやくつくようにするためです。
貸主にとっては空室状態が長く続けば続くほど、物件運用上の損失が大きくなります。毎月の家賃を安くするという手もありますが、そうすると、すでに入居しているほかの住人から不満が出る可能性があります。それが原因となって、ほかの住人が退去したり、すべての物件の家賃を下げたりする羽目になっては本末転倒です。また、毎月の家賃が下がれば利回りも下がることになるため、物件の価値も低くなってしまいます。
貸主にとってフリーレントは、そういった事態を避けつつ入居者をはやく集めることができる大切な手段です。
フリーレント物件のメリット・デメリット
家賃が無料になるのはとても嬉しいサービスです。しかし、フリーレントの仕組みには、メリットともにデメリットもあるのです。フリーレント物件をお得に利用するためにも、それらをきちんと理解しておく必要があります。
□フリーレント物件のメリット
メリットとして語るまでもないですが、フリーレント物件なら入居時の金銭的負担が軽くなります。通常なら契約時に、前家賃として入居1ヶ月目の家賃を前払いすることが多いですが、フリーレント物件ならその分の支払いが免除されます。
□フリーレント物件のデメリット
1ヶ月分の家賃が無料になるというのは、確かにお得です。しかし、フリーレント物件には制約や落とし穴も隠れています。
*敷金・礼金などの金額はそのまま
敷金や礼金、不動産会社へ支払う仲介手数料は、1ヶ月分の家賃をもとに計算されることが多いです。フリーレント物件で1ヶ月目の家賃が無料になるとしても、初期費用のもとになるのは通常の家賃です。フリーレント物件は最初から借主に対して有利な条件が提示されているため、敷金や礼金の値下げ交渉をするのは難しいでしょう。前家賃分の支払いはなくなりますが、それでも敷金や礼金などを合わせるとかなりの金額になります。賃貸物件契約時の初期費用は、どんなに安くても10万円以上かかるため、費用は余裕をもって準備しておく必要があります。
*通常家賃が高めに設定されている場合がある
フリーレント物件のなかには1ヶ月目の家賃をなくす分、通常の家賃が高めに設定されているところもあります。そうなると、長い目で見ればほかの物件よりも家賃に多くのお金を出すことになる可能性もあります。初期費用がおさえられるのは嬉しいですが、長期的に割高なお金を払うことになる可能性があるため注意してください。まわりの似た条件の物件と比較し、家賃は相場と同じくらいかについて必ず確認しましょう。
*契約期間が決まっている
フリーレント物件は、借主に長く入居してもらうことを前提としています。1ヶ月で退去されてしまっては、貸主にとって意味がありません。そのため、多くのフリーレント物件では契約期間が厳格に定められています。契約書を確認し、その定めよりも短い期間で退去する可能性があるなら、その物件への入居は控えたほうがよいでしょう。
*違約金に注意
契約期間よりも短い期間で退去することになった場合、違約金を支払わなければならない可能性も出てきます。フリーレント物件を契約するときは、それについてもきちんと確認しなければなりません。
違約金は、フリーレントとして無料になった分の金額が請求されることが多いです。退去時は、次の物件の初期費用や引っ越し代にお金がかかります。それに加えて1ヶ月分以上の家賃を余計に払うことになっては、負担がかなり大きくなってしまいます。
フリーレント物件を借りるときは、退去するときのことも考えて契約を結ぶようにしてください。
フリーレントを上手に活用するためのチェックポイント
フリーレント物件は、慎重に選ばなければなりません。
しかし、気をつけるべきポイントさえしっかりおさえていれば、お得に活用することも十分可能です。
ここでは、フリーレント物件を上手に活用するためにチェックすべきポイントについて紹介します。
□フリーレント以外の条件はよいか
1ヶ月分の家賃が無料になると聞けば、それだけでその物件が魅力的に見えてしまいます。しかし、フリーレント物件はある程度長く住むことが条件となっているため、自分にとって住みやすい物件であるか確認することは非常に重要です。いくら初期費用がおさえられるとしても、途中解約をすることになれば出費が重なることになり、大きな負担となってしまいます。たとえば、フリーレント物件でなくても借りたいと思う物件か、長く住むことができるかといった視点で厳しく物件の様子をチェックしてください。
□契約期間中の総支払額はいくらか
フリーレント物件のデメリットとしてあげたように、なかには通常の家賃が高めに設定されている物件も存在します。必ず他の物件の家賃と比較したうえで、通常の家賃が妥当な金額かどうかを検討してください。月々の家賃を比較するだけでなく、定められた契約期間内の総支払額を算出してみることも重要です。毎月で見れば多少の違いでも、数ヶ月や数年単位で見るとかなりの差が出る恐れがあります。家賃は収入に対する支出のなかで大きな割合を占める費用ですから、慎重に判断しましょう。
□途中解約ではいくらの出費が必要か
フリーレント物件を契約する際は、途中解約した場合にいくらの違約金がかかるのか具体的に算出してみてください。もちろん、途中解約はしないのが前提ですが、数ヶ月、数年経てば事情が変わる可能性も十分あります。そのため、もしも途中で解約することになったとしても、違約金を払うことができるかというのは意外と重要なポイントです。少し先の自分の収入に不安があるようであれば、フリーレント物件はやめてほかの物件を選んだほうが、リスクが少ない場合もあります。
まとめ
いかがでしょうか?
フリーレント物件をうまく活用することができれば、とてもお得に物件を借りることができます。たしかに、フリーレント物件は注意すべき点がいくつもあります。しかし、そういった点をしっかり考慮して納得しているのであれば、積極的に活用しても問題ありません。
初期費用を想定よりも安く済ませることができれば、家具や家電など新生活を充実させることにお金をまわすことができます。
より気軽に新しい生活がはじめられるというのは、フリーレント物件の大きな魅力です。物件を借りる際は、活用できる制度をしっかり活用して、賢くお得に契約を結びましょう。
『あるゾウ賃貸館』(運営:株式会社松堀不動産)では、埼玉県東松山市、比企郡エリアで賃貸管理戸数No.1の実績を誇る地域最大の賃貸情報を取り扱っております。
住まい探しの際は、お気軽にお問い合わせください。
住まいをお探しの方はこちらをクリック↓