賃貸物件を借りる際、従来は不動産会社に赴いて重要事項説明を受けてから賃貸借契約を結ぶ必要がありました。
しかし近年では、パソコンやスマートフォンを利用して遠隔で重要事項説明を受けられるようになっています。
今回は、IT技術を利用して遠隔で重要事項説明を受けられる「IT重説」について解説します。
IT重説とは何か?
賃貸物件を借りる際は、宅地建物取引士(宅建士)から物件の詳細や賃貸借契約の内容について、重要事項説明を受ける必要があります。
従来、この重要事項説明は宅建士と借主が直接対面しておこなうよう義務付けられていましたが、2017年10月から、パソコンやスマートフォンのテレビ電話機能を利用して、オンラインでおこなえるようになりました。
IT重説のメリットは、遠方の賃貸物件を借りる場合でも現地に赴く必要がなく、時間や労力、交通費などを節約できることです。
さらに、新型コロナウイルスの感染拡大により外出や遠方への移動が制限されたことで、IT重説の利用がより広がりました。
IT重説のやり方とは?
IT重説をおこなうためには、まずパソコン・スマートフォンのテレビ電話やテレビ会議に必要なアプリをダウンロードし、正常に作動するか通信テストをおこないます。
音声や画像が途切れず、双方向に会話できることが確認できたら、不動産会社から重要事項説明書や賃貸借契約書などを送付してもらいましょう。
こうした書類は郵送のほか、Eメールで受け取ることも可能です。
書類を受け取ったら、IT重説をおこないます。
まずは画面ごしに宅建士の取引証を確認し、対面での重説と同様に説明を受けましょう。
IT重説を受けて契約内容に納得したら、契約書や必要書類に記入し、不動産会社に返送します。
あとは、契約開始日までに新居の鍵を受け取れば入居できます。
IT重説における注意点
IT重説を利用すれば、入居当日まで1度も現地に赴くことなく賃貸借契約を結べます。
しかし、画像だけではわからない物件の細部や周辺環境などを確認するために、できるだけ内覧をおこないましょう。
また、画面ごしでは対面に比べてコミュニケーションがとりにくくなることは否めません。
とくにテレビ電話での会話に慣れていない方や声が聞こえにくい場合は、重説に支障をきたす可能性があります。
さらに、通信環境が安定せず音声や画像が遅れてしまったり、通話が途切れてしまったりする事態にも注意が必要です。
まとめ
IT重説を利用すれば不動産会社に赴かずに重要事項説明が受けられ、遠方に引っ越す方や外出が難しい方にはとても便利になりました。
しかし、遠隔では物件の細部まで確認することは難しいため、賃貸借契約を結ぶ前に1度は物件を内覧することをおすすめします。
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